【お経】中峰和尚座右の銘

中峰和尚座右の銘

末世の比丘、形沙門に似て、心に慚愧無く、身に法衣を着けて、思い俗塵に染む。
口に経典を誦して、意に貪欲を憶い、昼は名利に耽り、夜は愛着に酔う。
外持戒を表し、内密犯を為す。常に世路を営んで、永く出離を忘ず。
偏に妄想を執し、既に正智を擲つ。

一つには道心堅固にして須く見性を要すべし。
二つには話頭を疑着して、生鉄を咬むが如くせよ。
三つには長坐蒲団脇席に着くること莫れ。
四つには常に仏祖の語を看て、常に自ら慚愧せよ。
五つには戒体清浄にして、身心を穢すこと莫れ。
六つには威儀寂浄にして、暴乱を恣にすること莫れ。
七つには少語低声、戯笑を好むこと莫れ。
八つには人の信ずる無しと雖も、人の謗りを受くること莫れ。
九つには常に苕箒を携えて堂舎の塵を掃え。
十には道行倦むこと無く、飽くまで飲食すること莫れ。

生死事大、光陰惜しむべし。無常迅速、時人を待たず。
人身受け難し、今已に受く。仏法聞き難し、今已に聞く。
此の身今生に向って度せずんば、更に何れの処に向ってか此の身を度せん。

(改行は適当です)

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